こんな方にオススメの内容!
- そもそもテスターとは何なのか知りたい!
- 未経験者ではあるがテスターではなくプログラマー(開発)になりたい!
- 未経験者であってもテスターを経験する必要がない理由を知りたい!
- 未経験からのエンジニア転職を考えている!
当記事でわかること
- テスターの主な業務内容
- エンジニア未経験者でもあってもテスター経験が不要である理由
- エンジニア未経験者でもプログラマー採用をしてもらうポイント
- テスターを経験することで受けるデメリット
- 企業が未経験者を中心にテスター採用をする背景
そもそもテスターとは(テスターの定義)
テスターとはその名の通り、”開発されたサービスのテストをする人”を指します!
ただし、一言に「テスター」と言っても大きく下記の2つに分けられます(厳密にはもっと多く分けられますが)。
- テストコードを書くエンジニア
- 実際にサービスを使って動きだけを確認するエンジニア
今回は後者の「実際にサービスを使って動きを確認するエンジニア」をテスターという位置付けにします。
(前者はそもそもテスターという表現よりも「プログラマー」という表現の方が合っているかもしれません)
実際にサービスを使って動きを確認するエンジニアの場合、コードを実装することはほとんどなく、既に開発されたサービスを実際に動かしてみて、「バグ」や「不具合」を確認する業務が中心になります。
ここで具体的なイメージがつきやすいように、テスターポジションに業務が降りてくる流れを確認してみましょう。
業務内容 | 主な担当者 |
---|---|
サービス立案 or 依頼者からのサービス内容のヒアリング | サービス責任者 |
要件定義(サービスの機能や仕様を定める) | SE(システムエンジニア) |
設計(システム構造やデザインの決定) | SE(システムエンジニア) |
開発(設計書をもとにコードを実装) | プログラマー(フロント&バックエンドエンジニア) |
テスト(バグや不具合の発見) | テスター |
リリース&運用保守(サービスを展開し、定期的に不具合がないかを確認) | プログラマーなど |
上記の流れからもわかるように、テスター業務はいわゆる”下流業務”に位置します。
だからこそ、エンジニア未経験者をテスターポジションのような下流ポジションで採用しようと考えている企業が多く見られるのです。
これでエンジニア未経験者が転職活動をしているときに、「テスター」というワードをよく聞く理由がわかったかと思います。
エンジニア未経験者でもテスター経験が不要な理由
単刀直入に言って、エンジニア未経験者であったとしてもテスターを経験する必要はありません!
テスター経験が不要と主張するポイントは下記になります。
- 習得スキル面の問題
- 時間的問題
- 収入面の問題
テスター経験がデメリットになりうる理由に関しては、後述の「テスターを経験している時間がもったいない」などで詳しく解説します。
プログラミングスキルに直結する経験を積みづらい
まず最初に言ってしまうと、そもそもテスターを経験している間はコードを書く機会はほぼありません。
もちろんテストコードを書く場合もありますが、テストコードとは言えサービスに”実装”するという意味では開発寄りの業務になるので、未経験者に任せてくれる企業はあまりありません。
つまり、残念ながらテスター配属になった時点でコードを書く機会が無くなったのも同然なのです!
仮にテストコードの実装を経験できたとしても、そもそもテストコードは通常の実装コードと異なる点が多いため、開発ポジションについてから役に立つとは言い切れません。
さらに、テストコードの実装経験が「開発経験」としてカウントしてくれる企業はおそらく少ないでしょう。
そもそもテスト経験を積みたいのであれば、わざわざテスターにならなくても開発をしていく上で身につけていけば問題ありません!
自分自身でコードを実装して、実装過程でエラーが出たらその都度エラー分析をして修正していく方が頭に入ります。
さらに開発ポジションであれば、バグ対策やセキュリティ対策を考慮した実装も経験できます。
それでももし、テスターのようにテスト項目に沿って動作確認をするような業務をしたいのであれば、プログラマーからテスターに異動したいと志願すればいいだけです。
一方で、テスターからプログラマーに志願して希望が通ることはほぼ無いです。
以上のことから、テスターを経験してもプログラミングスキルに直結する経験を積むことは非常に困難であるため、最初から開発ポジション狙いで転職活動をしましょう!
テスターを経験している時間がもったいない
前述の「プログラミングスキルに直結する経験を積みづらい」とも関わってきますが、正直言ってテスターを経験している時間が非常にもったいないです。
なぜなら、テスター期間でプログラミングスキルが身につくことはほぼ無いからです!
さらに残念なことに、たとえテスターを数年数十年経験したとしても次のエンジニア転職で有利になることはほぼありません。
なぜなら、テスター経験豊富なエンジニアの需要は無いに等しいからです!
一方で、開発経験年数は非常に重宝されます。
開発経験年数に応じてスタート時の給料や役職が変わってくるほどです!
ですので、エンジニア未経験者がよく投げかけられやすい下記の”悪魔の言葉”には決して耳を傾けないようにしてください。
- 「まずはテスターとして下積み経験をしましょう」
⇨ 別下積みをする上でにテスターポジションである必要はない! - 「最初はみんな同じスタート」
⇨ 別にテスターポジションからスタートする必要はない! - 「テスター経験も後々役に立つ」
⇨ 開発経験の方がよっぽど役に立つし需要も高い!(テスターは誰でもできるためすぐに補充できる)
補足として、テスターは緊急でバグや不具合が発生した場合は終電間際や休日出勤をしてまで対応しなければならないケースもよくあります。
本来なら現場でコードを書かせてもらえない分、終業後や休日はプログラミング学習に当てたいものですが、その貴重な学習時間ですら奪われてしまう可能性もあるのです!
低収入が続きやすい
残念ながら、テスター経験をしていても一向に収入の増加は見込めません。
なぜならテスターから上流工程に携わるようになったり、役職が上がるケースはあまりないからです。
収入の増加が見込めない背景を理解するためにも、まずはエンジニアの収入が上がる式を確認してみましょう!
開発以上の工程での経験年数 × スキルセット = 収入(市場価値)
※あくまでも一例です。
(今回は未経験者でもわかりやすいような式にしましたが)上記の式のように、基本的にエンジニアの収入は経験年数とスキルセットによって変動することがわかるかと思います。
では、前述の「プログラミングスキルに直結する経験を積みづらい」で触れた内容を振り返ってみてください。
コードを書く機会がほとんどないため当然スキルセットは増えません。
次に、こちらも前述の「テスターを経験している時間がもったいない」で触れた内容を振り返ってみましょう。
テスター経験年数が有利に動くことはほぼありません(有利に動くのは開発以上の経験である場合です)。
よってテスターの経験を収入の式に当てはめてみても変動は全くありません。
補足として念の為お伝えしますが、エンジニア未経験から転職をすると最初の数ヶ月(長くて1,2年)は前職よりも収入が落ちる(もしくは変わらない)ケースがほとんどです。
それもそのはず、まずは現場で様子を見てから給料を上げたいと考える企業が大多数だからです。
とは言え、良質な開発経験を積んでいけば数ヶ月数年ごとに必ず収入は増えていきます。
なぜなら、エンジニアとしての自分の市場価値が上がっていくからです!
しかしこの経験がテスターである場合は、残念ながら数年経験を積んでも収入の増加は見込めないでしょう。
なぜなら自分の市場価値がほぼ変わらないからです。
エンジニア未経験者のスタートの収入がほぼ同じことは事実ですが、経験する業務内容によってその後の収入に差が生まれることは認識しておきましょう!
テスター採用を避けるポイント
未経験者が初めてのエンジニア転職をする際に、テスター採用から避けるポイントはシンプルに下記の2点です。
- スキルの証明
- エントリー求人の選定
上記2つのポイントは、転職活動前の段階(スキルの証明)と転職活動中の段階(エントリー求人の選定)です。
習得スキルを証明する&言語化させる
結論から言うと、エンジニア未経験者であってもそれなりにスキルを習得していれば開発業務に携われる確率は上がります!
なぜなら、企業が人材に求めている大きな要素の一つがスキルセットだからです。
テスター採用を考えている企業がターゲットとしている人材は下記などが考えられます。
- エンジニア経験がない。
- 具体的なスキルセットを示せない。
- 今後のエンジニアとしてのキャリアビジョンが不明確。
要するに、エンジニアとしてまだまだ未熟な人材をターゲットとしていることになります。
以上のことを踏まえて、自分が未経験者であってもテスター採用のターゲットにならない対策としては主に下記の2点になります。
- ポートフォリオやGituhubアカウントなどでスキルセットを証明する!
- 習得したスキルを具体的に言語化させる準備をしておく!
Yさん | Zさん | |
---|---|---|
エンジニア経験年数 | 0年 | 0年 |
スキルセット | CSS、Ruby、Rubi on Rails | HTML、CSS、Sass、JavaScript、jQuery、Ruby、Ruby on Rails、SQL、Git、Github、AWS(S3、IAM、CodePipeline、EC2、CloudWatch) |
備考 | 特に無し | ポートフォリオURL、GituhubアカウントURL |
ここまで具体的、且つ明確にスキルを提示できれば、テスター採用の求人に捕まることはかなり減ります。
それどころか、企業からオファーをいただける可能性もあります!
「自分の身は自分のスキルで守る」
これを肝に銘じて、開発ポジションの採用を勝ち取りましょう!
SES企業へのエントリーはなるべく避ける
まず最初に誤解の無いようにお伝えしますが、SES企業を全面的に否定したいわけではありません。
良質な開発経験を積めるSES企業もありますし、SES企業ならではのメリットをいくつか存在します。
(SES企業に勤めるメリットの詳細に関してはこちらの記事で解説しています)
しかし、エンジニア未経験者の転職先としてはSES企業は無難に避けた方が良いということです。
主な理由は以下の通りです。
- 未経験者でも業務ができるテスターへ配属されやすい環境。
- 開発経験がないと開発業務に携わりづらい構造。
- 未経験者求人が圧倒的に多い。
近年はIT企業の数が増えてきてますが、「スタートアップ企業」と呼ばれるIT企業の多くはSES事業を含んでいるケースが多いです。
なぜなら、SES事業は最も早く収益化をさせやすいビジネスモデルだからです。
つまり、経験値や業務内容関係なく、1日でも早く1人でも多くの社員を派遣させたいわけです!
冒頭でもお伝えしたように、もちろん同じSES企業であっても開発業務の現場に配属してくれる企業もあります。
しかし開発業務ができる現場に配属される人の多くは、最低でも数年程度の開発経験をすでに積んでいるエンジニアであるケースがほとんどです。
つまり、そもそもエンジニアとして何も経験をしていない未経験者が開発業務に携われる可能性は極めて低いのです!
サービスを開発する上で、最も大切と言っても過言ではないのが”品質”です。
サービスをリリースする企業としては、この品質を重視した開発を進められるエンジニアに来てほしいのが本音です。
要するに、実績のある優秀なエンジニアを採用したいわけです!
そのため採用側の企業は優秀なエンジニアを採用するために、下記のような採用を考えます。
- 社内の優秀なエンジニアから紹介してもらう(リファラル制度)。
- 業務委託として開発経験者を採用する。
- SES企業から派遣してもらう場合は開発経験があることを前提条件とする。
このように、残念ながらエンジニア未経験者が入る余地はありませんよね。
ただし、当然ながらテスターなどのロースキルポジションの人材を確保する必要もあるため、その際にSES企業を中心に未経験者を派遣してもらうという構造になっているケースが多いのです。
もちろんごく稀に未経験者であっても、SES企業からの紹介先の現場で開発業務をさせてもらえることもあります。
しかし確率論から考えると、SES企業は無難に避けた方が良いでしょう。
まとめ
- テスターを経験してもプログラミングスキルが身に付くことはない。
- テスター経験年数はその後の昇級・昇格・案件獲得にほとんど影響を与えないためやるだけ時間の無駄。
- 開発経験と比べるとテスター経験では低収入が続きやすい。
- プログラミング学習をして習得スキルを言語化できるようすれば、テスター求人に引っかかるリスクが減る。
- テスター案件を豊富に持っているSES企業へのエントリーは避けた方が無難。
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